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寺村 大輔(テラムラダイスケ)は、
河崎の恋人だった。
「ずっと一緒に居ようね。」
「当たり前やろ。」
そう、言っていたのに。
「────ねぇ、嘘でしょ、冗談やめてよ.... .... 」
「俺も、そう思いたい。──けどな、もう、手遅れなんやて。」
寂しそうに笑って、大輔は私を抱き締めてくれた。
寺村は、膵臓ガンで、余命宣告をされた。
亡くなる、二ヶ月前の事だった。
膵臓は、自覚症状が現れにくい。
更に、進行性早いのガンであったことが災いした。
──末期ガンだった。
「絶対治るよ!治らないわけないじゃん!」
涙が、出そうだった。
「.... おおきにな、眞殊。」
大輔が、一番辛いのに。
河崎は、必死で看病した。
毎日、見舞いをして。
出来ることは、全てやった。
────けど。
『眞殊ちゃんっ.... .... .... 』
寺村の母からの電話。
危篤の、知らせだった。
「─大輔っ!」
河崎は、病室に駆け込んだ。
まだ、生きている。
死期がもうすぐそこまで来ていることは河崎にもわかった。
だけど、
「大輔!諦めないで!私がいるよ!」
もう、涙でぐちゃぐちゃだった。
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