#01

5/6
前へ
/32ページ
次へ
寺村の手を、ギュッと握った。 ───遠くに行ってしまわないように。 うっすらと、寺村の目が開く。 呼吸は、浅い。 「─!!大輔!」 寺村は、手を僅かに握り返した。 そして、 喋ることも困難な状況で口をうごかす。 「─────────。」 微かに動く口に耳を寄せた。 “─愛してる────” 「大輔!大輔!!」 寺村大輔、 享年、27歳。 余りにも、早すぎる別れだった。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加