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「.... では、宜しくお願い致します。」
802の谷口宅を後にする。
次は....
「.... 河崎さんか。」
ふんふん、と表札を見ながらインターホンを押した。
ぴ、
『──はい。』
女の人だ。
「えっと、夜分にすみません。隣の803号室に越してきた北山と言うものです。.... 御挨拶に伺いました。」
「.... .... .... 少々御待ちください。」
ん?
今、なんか間があったな....
まぁ、いいか。
北山は、河崎が出るのを待った。
ドアノブを回す音が聞こえ、扉が開く。
「.... すみません.... お待たせして───────!!!」
「いえ、こちらこそ申し訳ありません、これ、つまらないものですが.... .... .... 」
河崎は、北山の顔を凝視しながら固まっていた。
「か、河崎さん?」
.... あれ?
どうしたんだ?
「───大.... .... 輔....?」
だいすけ?
え、誰?
「あの、河崎さん?」
誰かの名前を発して固まったままだ。
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