なぜ急いでいる時に限って厄介ごとに巻き込まれるのだろうか。

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先刻、理事長代理から緊急招集命令が出された。 滅多に出されることのない召集令にいささかの不安を覚えつつ、深条雫は集合場所へと急ぐ。 と、その時。急に曲り角から飛び出して来た人影と、危うくぶつかりそうになる。 体を捻って避けたものも肩がかすった。 雫「あ…っと、すみません」 自分はまったく悪くないのに反射的に謝りつつ、飛び出してきた犯人の顔をうかがい見る。するとなぜかその犯人たる少年は非常にご機嫌そうな笑顔を浮かべ、飛び出して来ておきながらいけしゃあしゃと「へーきだよ!」とのたまった。 その態度に思わずムッとしてしまうが、そこで短気を起こす雫ではない。それに相手は明らかに自分より年下の子供だ。冷静にいこう… そこまで考えてから雫はその少年の顔に見覚えがあることに気づく。 雫「ん…?君は………」 ???「…あ~、うん。さすがにもう慣れたかな。でも一応…おれ、ギロだよ!よろしくね!!え~っと…」 雫「深条雫です。こちらこそ、よろしくお願いしますねギロさん」 それを聞くとギロは少しむずがゆそうに笑った。 ギロ「えへへ…おれ、『ギロさん』なんて呼ばれるの久しぶりだよ!なんだか照れくさいね!!」
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