懐かしい香り

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ふと…メンソールのきいたタバコの香りがした。 澪は足を止めると、目を細め、ゆっくりと息を吸う。 この香りに出会うたびに思い出す-ただ純粋に彼を想いつづけていたあのころを… 未だにどこかに彼の香りを探していることに改めてきづかされる… 【年に1度、あたしたちは恋人になる】 -彼に抱きしめられたあの日から、他の人では味わえないあのぬくもりを失うことはできない… たとえ、それが秘密の関係であっても また歩き出すと、秋晴れの空を見上げ、 彼と出会ったのもこんな穏やかな日だった… と、あのころに想いを馳せていた。
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