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「………言いたくないならいいよ。じゃあ助けたからバイバイ」
そう言って外に出た。
だって当初の目的、街だし。
助けれたなら寄り道完了だ。
「ちょっと待ちなさいよ!」
おや、皆外に出てきた…………自分の故郷に帰るなら当たり前か。
「あっ……ありがとね!」
獣人の子に続いて皆お礼を言ってきた。
俺、精霊さんのためにやっただけなんだけどな………。
その後色んな人に、一緒に村に来ないかと誘われたが、丁重にお断りした。
1人、また1人と去っていき、残すは精霊王だけになった。
『ひのおうしゃまー』
『ひのおうしゃまー』
精霊さんたちがニコニコしながら、小さい手を振っている。
『なんだ、お前らもいたのか』
ようやく口を開いた火の精霊王は、腰にくる色気たっぷりのバリトンボイスだった。
つり目に、燃えるような赤毛をオールバックにしている精霊王さんにピッタリの声だ。
超絶イケメンは、やっぱり声もいいんだな。
なんかズルい。
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