プロローグ

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(幹ちゃんが来ているなんて!?きっとマネージャーになったのね。) 「今日の宿も大丈夫そうね…。 高橋さん、迎えは良いから、私の荷物を家に運んでおいてちょうだいね。」 じゃあ、と貴女は高橋の返事も聞かずに車を飛び出した。 「さて、どこに居るのかしら…?」 貴女がキョロキョロと辺りを見渡して歩くたびに、近くにいる選手たちが振り返る。 トラベルセットが入った小さめのスーツケースを片手にサングラスをした貴女は完全に「バカンス帰りの芸能人」。 人目を引くのは無理もない。 ………貴方が気付いていないだけで。 (気のせいかしら…すごく視線を感じるわ…) ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 「……見つけたわ。」 探し人は思いの外早く見つかった。 ステージ付近で見覚えのある長身を見つけたのだ。 しかし、貴女はまだ総北高校を知らない。 間違っていては失礼だと思い、ジャージは着ていないが(恐らく)総北高校の生徒だと思われる人に尋ねることにした。 「すみません。そこの黄色いジャージは千葉の総北高校ですか?」 貴女がそう聞くと、天然パーマの男子生徒は若干驚きながらも答えてくれた。 「あ、はい。そうですけど……(…サングラス?芸能人?)うちの学校に何か?」 「ここに今泉俊輔は居ますか?」 「えっ今泉ですか?居ますよ。おーい!今泉ー!!」 天パ男子がそう叫ぶと、人混みの中から背の高い男子が出てきた。
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