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渡がマニラに近づいたことに気付いたのはアマザキの姓を持つ者達。妻と二人の娘だ。ミカエルはお留守番。マニラが耳を塞いだのを見て、慌てて自分の耳を塞ぐ。彼女たちの周囲の人間は訝しげに見たが、すぐにそんな視線を送る余裕が無くなった。
「喝ッ!!」
空気が振動し、途端に会場が静まり返る。
「…静かになったみたいだな。騒ぐ原因を作ったのは俺だから、止めさせてもらった。自分の担任がこれから発表されるからな。きちんと聴くように。」
この発言をきっかけに、各クラスの担任が発表される。次はB組だ。
「B組の担任はメルト・アマザキ先生です。」
マニラに紹介され、小さなエルフが前に出る。マイクが高いようで、調節をしてから話始める。
「…メルト・アマザキ。…エルフ族。…担当は数学と魔法戦闘。…よろしく。」
メルトはこれだけ言うと、さっさと壇上から降りてしまった。
「…え?アマザキ先生、終わりですか?…で、では次はC組です。」
マニラが困ったようにメルトを見るが、本人は耳まで真っ赤にして俯き、渡に頭を撫でられている。よほど緊張したらしい。渡は笑っている。
ここからの日程は、日本の高校と大差はないだろう。各教室に分かれた後、自己紹介をして今後の日程が発表される。それで解散。
親と帰る者。付き合いのある友人と帰る者。新たに出来た友人と帰る猛者。ボッチ。
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