魔武器と使い魔

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「お姉ちゃん!」 ゆっくりと振り返るメルト。いつもと同じ眠たそうな目だ。 「なんか食べる物持ってない?私寝坊したから朝ごはん食べてないんだよね。」 言い終わると、ぐぅ~と音が鳴る。誰が聞いても腹の音だ。が、鳴ったのはユウの腹ではない。首を傾げるユウにグッと親指を立てる。 「…私も…寝坊。…しかも…お昼忘れた。」 似た者姉妹である。はぁ~、と深い溜め息が二人の口から洩れる。二人で顔を上げる。そうすると、メルトが訝しげな表情を見せた。彼女の視線はユウの少し上。ユウも釣られて上を見る。そして視界に入るのは何か、棒のようなもの。ユウの背後から伸びているようだ。 「イテ!」 棒がそのままユウの額にぶつかった。10cmほど離れた場所からぶつかっただけなので、それほど痛くはない筈なのだが、まぁ、反射的に痛いと言ってしまったのだろう。そしてユウは、自身の後ろにいるであろう誰かの面を拝んでやろうと振り返る。 「よう、眠り姫①と②。」 錫杖を手にした父がそこにいた。
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