prologue

2/10
前へ
/25ページ
次へ
「準備は大丈夫?」 玄関で靴を履く制服姿の少女に話しかける一人の女性。桃色の頭髪に赤い瞳。大人らしい落ち着いた雰囲気を醸し出す美しい女性だ。 「うん、忘れ物ないよ。ママも後で来てね!」 笑顔で返す少女。この二人の関係は親子のようだ。 「パパとお姉ちゃんって、もう行ってるんでしょ?」 「ええ、そうですよ。ユウも心配せずに早く行きなさい。」 ユウと呼ばれた少女の母の後ろから顔を出した金髪の女性。金髪に蒼い目。髪の毛は長く、ウェーブが掛かっている。 「うん。じゃあ、行ってきます!遅れちゃダメだよ!」 「はいはい。わかってるよ。気を付けてね。」 手を振りながら元気よく家を出た少女。名はユウ・アマザキ。淡い緑の髪に、桃色の瞳を持つ吊り目の少女だ。 一刻戦争と呼ばれた戦争から、17年と195日が過ぎた日が今日だ。今日はカートライト学園の入学式。天崎家の次女、ユウ・アマザキは今日から高校生となる。 「ん~、いい天気!」 ユウの言う通り、空は雲ひとつない。太陽は人々を明るく見降ろしている。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3241人が本棚に入れています
本棚に追加