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「これ以上無駄口を叩くなッ!」
「はいはい」
わざとらしく両手を上げて座席にもたれ掛かる。
ジェームスが不信げな目で自分達を見ている事に気付いて、犯人グループの一人が肩をすくめる。
「オイ、こんなガキの戯言を信じるのか?」
「……別にお前達を信じる根拠も無いけどな」
ジェームスと犯人グループが睨み合う。
「……もういい。日本政府とは別にこいつら個人から身代金を頂いてこの仕事は終わりにしよう」
犯人グループの一人が俺に近付いてきた。
「お前、若く見えるが何処か会社に所属しているか? その二人も何処かに所属しているなら言え」
銃口を俺やアリア、魅子に向ける。
「偶然にも、三人共ある会社に所属しているぜ」
「何処だ? 会社の名前を言えッ!!」
「アイギス」
俺の代わりにアリアが答えた。
「アイギス…………アイギスだとッ!?」
アリアが口にした[アイギス]という会社名をその男が認識した瞬間、俺とアリアは同時に動いていた。
俺達に向いていた銃口を握り潰し、魅子にまで銃口を向けた男の顔面をぶん殴る。
「ブギュッ!」
顔と同じ様に潰れた悲鳴を上げた男を乗り越え、サブマシンガンのセーフティロックを外そうとしていた男達の側頭部に蹴りを喰らわせる。
その間に、俺から距離が開いていた男達の眉間にアリアが打ち出したコインがぶち当たる。
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