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白目を向いて座席に崩れ落ちる男。
「お客様?」
その様子を見たCAがその男に近付いて声を掛けようとした時、足元に一枚のコインが落ちている事に気付いた。
アリアが指で弾いたコインに男は後頭部を撃たれ、気絶させられたのだった。その事が分かったのは、当のアリアだけだった。
「やれやれ、泣けてくる……ってヤツか?」
アリアがそう呟くと、男の内ポケットから拳銃が滑り落ちた。
※※※
アリアが人知れずハイジャック犯……正確にはハイジャックをしようとしていた男を倒したのと同じ頃、俺はある男の首に腕を回していた。
「ッ!? ッ!」
その男が何かを叫ぶ前に、俺は一瞬でその男を締め落とした。
「ん?」
「何だ?」
周りが俺の早業に気付く間も無く、俺は意識を失った男を座席に放り投げる様に座らせた。
その後、その男の着ているジャケットの内ポケットに手を突っ込んで、拳銃と指令書を拝借しておいた。
「自爆テロかよ、泣けてくるぜ」
指令書の内容を斜め読みした俺は、その場でその指令書を破り捨てた。
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