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誕生日を迎えたばかりの木下徹平は、自室で塞ぎ込んでいた。たった一通のメールによって。
最悪の誕生日だ。
低く呟く姿は、彼をどこか小さく見せる。
ベッドに投げ出された携帯電話の画面上は、「佐倉亜希」から送られた文面を表示していた。
「ごめんなさい。てっちゃんとは、無理です」
若い女の声がメールを読み上げる。
そのメールの内容に落ち込んでいた徹平だが、一瞬そのショックすら忘れて、顔を上げた。
視界には、突然現れた見ず知らずの女。
彼はそのとき初めて、本当に驚いたときは声も出ないことを知った。
「どうも。微力ながら手助けに来ました」
平然と言い放つ彼女を、どうするべきか。すぐに答えは出なかった。
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