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私達はお弁当をしまい机を元の位置にずらし始めた。
(私今日本当に噂かどうか確かめに行くんだ)
朋子の言葉に私はビックリした。
(辞めたほうがいいよ!!!何か危ないよ~)
(だから縁にボディーガード頼んでるんじゃん!!!!!!)
(それで私なのね……)
私は一つため息を吐いた。
先生が入って来ると朋子は自分の席に戻った。
授業が始まっても私の頭はさっきの朋子の話が何故か気になっていた。
普段なら気にもとめないし、すぐ忘れるのに。
授業が終わり、みんな帰りの身支度を始める。
(ねー朋子?本当に行くの!?)
結局私は朋子に言い寄られ、行く事になってしまった。
(縁ちゃ~ん何かあったらよろしくね!!!!!!)
(はいはい…)
力なく返事をした私は、朋子と共に町外れの屋敷へ向かい歩き出した。
小さな商店街や市立の図書館などがある中心街を抜けて、さらに15分程歩くとその屋敷が見えてきた。
西洋の古い洋館のような造りで大きな窓には板や暗幕などが貼ってあるのが見える。
(うわ~縁~これ凄いね~!!!!!!本当に何か出そう~~!!!!!!)
私は朋子の言葉に返事が出来なかった。
その屋敷が放つ冷たい空気が私を飲み込んでいた。
(縁!?縁?!大丈夫?)
朋子が顔覗き混んできた。
(朋子…何かヤバイよ!!あの家絶体ヤバイよ!!ねぇ~帰ろうよ…)
(えぇ~~せっかく来たのに~じゃあ少しだけ確認したら帰ろう。それでいい?)
普段あまりこう言った事言わない私だからなのか朋子はあっさりと私の意見を聞いてくれた。
その日私達は遠巻きに屋敷を見て帰っていった。
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