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(ねーねー昨日行ったの?)
隣の席の千夏が話しかけてきた。
(いや~行ったんだけど…)
(縁がびびって外から見ただけだよ~)
朋子は不安な声を挙げながら席に近づいてきた。
(えぇ~~まぢで!?縁にも怖いものあるんだね~)
(何かヤバくてさ…)
私は少し目を反らすと朋子は目が輝きだした。
(実はですね~私携帯をあそこに落としてしまったらしいの…)
私はこの時から嫌な予感がしていた。
(ゆ~か~りちゃん!!!!!!お願いがあるんですよ~…)
私はただ項垂れるしか出来なかった。
放課後まで私は頭がいっぱいだった。
昨日感じたあの何とも言い合わせられない恐怖…全身を貫く意思みたいな感じ。
しかしどうやら私はとてもお人好しのようだ。
明らかに嘘な朋子の頼みを無下には出来なかった。
そして自分ももう一度見たいという欲求が強くなっていた。
怖いのだがしかし何か甘く誘惑する空気が私を支配し始めていた。
そして放課後
私達はあの家の前にいた。
まだ5時だというのに空は暗くなっていた。
(ね~朋子…何か雨降りそうだよ)
(本当だね~って縁さー私の嘘に突っ込まないの!?)
(あんなバレバレな嘘に突っ込みなんてもう…)
失笑まじりの私に朋子は満面の笑みだ。
(っていってる側から雨降ってきたよ~って朋子!?)
彼女はあろうことかドアの呼び鈴を押していた。
(行動旅力ありすぎたろ!!!!!!)
心で叫ぶ私をよそにドアが開いた。
(おやお嬢さん、何かご用ですか?)
中から出てきた人はとても背が高く、綺麗な黒い髪と中性的な端正の顔立ちの男性だった。
(あの~私達実は雨宿りがしたくて出来れば少し雨宿りをさせて頂けませんか~!?)
(!!!!!!あんた何言ってるのーーー!!!!!!!だいたいそんなことではいどうぞ何て言う人居ないわよー!!!!!!)
(そうですか~どうぞ~)
(いーーたーー!!!!!!何で?どうなってるのまぢで?)
何故か私達は雨宿りをする事にのった。
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