271人が本棚に入れています
本棚に追加
久々に訪れた街は、たった半年と少しで微妙に変わっていて
一年前に初めて訪れた時には、まさか悠里と再会するなんて微塵にも思いつかなかった
懐かしい思いを巡らせば、愛しい人の姿が目に入った
「潤ちゃん…」
嬉しさと戸惑いの顔をした悠里の影に隠れているの順で…
「順、元気だったか?」
「……うん…」
頭を撫でると俯いて、それでも懸命に笑おうとする姿にキュッとなる
「順にお土産、何がいいか迷ったんだけどな」
紙袋を手渡すと中をのぞき込んで、さっきとは違う自然な笑みが見れた
今まで子供と接する事がなかったから、会社の先輩から聞いて用意したのは、ゲーム機と超次元サッカーとか子供達に人気があるというソフト
「ありがとう!おにい……パパ…」
順の髪の毛がぐちゃぐちゃになるまで撫で回す
「悠里、俺、順と出かけるから
先に帰って晩飯作って待ってて」
一瞬、不安な表情をした悠里が頷いてくれた
「いってらっしゃい
今日は順が好きなハンバーグだからね」
笑顔で送り出してくれて、小さな順の手を握れば、俺の手にすっぽり隠れてしまうほどで
「さぁ、行こう」
少し強引かと思ったけれど、握り返してくれるその温もりが嬉しかった
最初のコメントを投稿しよう!