272人が本棚に入れています
本棚に追加
「本社から研修にきた吉野主任だ、営業を担当する
1年間だけだがみんな宜しく頼む」
まだ30歳前半といった感じの所長の隣に立ち、深呼吸して一歩前に出た
「吉野 潤と申します
不慣れな事も多いかと思いますが、御指導のほど宜しくお願い致します」
凛とした態度で挨拶をし深くお辞儀をした
今日から新しい職場
少しの高揚感と期待を胸に震えた
「じゃあ、のちのち各自の名前は覚えてもらって
就業を開始して
吉野くんはついてきて」
所長の一声で各自散らばりディスクに戻っていく
所長に続いて会議室に入ると、業務の説明と担当得意先のリストを渡された
「本社は大変だろ
俺も数年いたんだが、性に合わなくてな
こういう小規模なハコが俺には相応しいよ」
スゥと目を細めた仕草に色気を感じた
男の自分でもカッコイイと思うほど、背も高く整った顔立ち
女なら惚れてしまうだろう
「まぁ、気楽にやってくれ
ここじゃ役職読みなんてしないから、俺の事は小野坂でいい」
偉ぶる態度なんて感じさせず好感が持てる
はいと返事をした時、会議室のドアがノックされた
最初のコメントを投稿しよう!