一日目 am12:00

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 彼の妻である浅間 湊(あさま みなと)は浅間が部長をしていた部活の評判を聞きわざわざ北海道の定員割れの高校に入学してきたよくわからない思考の持ち主である。一度は浅間に入部を断られたもののめげずに男子部員一人を勧誘してめでたくその部に入部を果たした。  どんな部活かはここでは伏せておこう。私も酷い目に合わされた事があるとだけ言っておく。 「へえ、東京からわざわざ北海道の高校に。行動力のある人なんですねぇ」 「はは、確かにそうですね」  榊原と談笑する浅間には中学時代や高校時代の暗い影はなく、明るい表情が見える。そのことに安堵している私がいる。彼の明るい表情が見えるたびに私は安堵する。それで彼が救われているとは限らないのに。
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