獣道

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が、彼は一瞬気を抜いたことを猛省し、直ぐに取り持ち、己に活を入れる。彼は、日も俄にしか感じ取れぬ木々の中、その整えられた眉をひそめ、その時を待っていた。 と、森がざわめくのが聞こえた。右後方、汗にじむ額にかかった白髪を意に関さず、物音が聞こえたほうへと視線を移す。
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