とくには意味もなく

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人を寄り付かせないのは、友達を必要以上に増やさないため。言い方はわるいのかもしれないけれど、量より質、というのか。 浅い友達はたくさん持っても意味がないだろうし疲れるだけというのが私の考えであって、そうしているうちに一人のほうが楽だと思い始めているのは少し間違っているのだけれど。 友達を増やせば増やすほど、裏切られたり何だかんだで喧嘩したりすることも増えて、結果、傷つくことが増える。 私は無意識にそこから逃げているから、「人を寄り付かせない」。 無表情、無愛想、冷たい…それは人を一定の距離以上自分の中に近付けないため。自分の中に線引きをして、ここから先は入ってきてほしくないと勝手に決める。 それは深い仲になってから何かあって深く傷つかないように逃げている、だから「無表情、無愛想、冷たい態度」で距離をとっている。 人を信じないのは、裏切られても言い訳がつけられるから。「ほら、やっぱり人は裏切る。私にはわかっていたから信じていなかった」と、だから騙されていないと、騙されたという真実から逃げる。 …こうして客観的に見ると逃げることしか考えていない弱い人間であって、こんな自分と正反対な人間を見るとイライラしてバカにして妬ましくてムカついて、結局羨ましい。  
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