とくには意味もなく

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 脈絡はないのだが、まぁそれがこの小説。つい昨日、実は私の誕生日だった。しかし誕生日とは私だけなのだろうか、気分が落ちる日であって、部屋でぼんやりと小説(携帯ではなく)を読んで過ごして終わった。 誕生日になると熟実感させられるのが「誕生日は本人以外には家族にさえもただの平日でしかない」ということ。 私は親と、家族と仲がいいだなんてお世辞にも言えない立場で、まぁそれはよくあることなのだろうけれど。 とにかく昼に起きて(その日何も予定がなかったから朝方に寝たせいで)、少しぼんやりと「あぁ、今日誕生日か」なんて考えて、携帯を確認して誕生日おめでとうなんてありきたりな友達からのメールで少し嬉しくなって。 母親と弟のいるリビングへ下りたのだけれど、やっぱりと言うべきなのかおはようすらも言われない、言わない環境…関係でおめでとうなんて言われるはずもなく、少し落胆して。 当たり前のことなのだけれど、落胆した自分に少し驚いた。祝われることを期待していた自分に驚いた。 お昼ご飯は何を食べたっけ… 確かカップ麺を食べて、そして一言も誰とも交わすことはなく部屋に引き込もってまたぼんやりと本を読んだり、録り溜めたテレビを見て過ごした。 ここで感じたのがさっきので、やっぱり自分以外にはただの平日だ。 毎日何人もの人が、何百人もの人が誕生日を迎えているけれども、例えそれが学校の友達だったとして。それを聞いたとき「あ、そうなんだ」って思うぐらいじゃないのか なんて思うのは自分が感情に乏しいからなのだろうか。  
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