お金が欲しかったから

2/3
前へ
/10ページ
次へ
あたしが何でお水の仕事をすることになったか。 大好きだった彼氏が他の女に走ったから。 それから お金が欲しかったからだ。 当時のあたしは、昼間はスーパーでレジを打っていた。 クレジットカードが優菜の人生を転落させてしまった。 多い時で20枚以上。 何でそんなにカード作ったかって? ただスーパーに勤めてた娘と、競争しただけだけどね。 馬鹿らしいとも思わず、申し込み書を書いてポストにいれれば、何日かあとにはクレジットカードが手元に届いた。 その時はただカードを申し込んで、作るのが趣味みたいになってた。 けれど、一度でも覚えてしまったキャッシュレスのショッピングは、またたく間に優菜の金銭感覚を麻痺させた。 もともと優菜の金銭感覚は少し他人よりずれていた。 共働きの、裕福な家庭でお小遣いに困る事なく育ったせいだ。 父親は公務員。 母親は手芸店を営んでいた。 そんな普通の家庭に育った優菜が、何故ホステス? って、思うでしょ? あたしはただお金が稼ぎたかっただけ。 でも風俗は絶対に無理だったから、昼夜働いたの。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加