華麗なる反撃

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「…ぁっ…っ……」 「古川、…本当にすごいよ。よく頑張ったな…?」 「…ふぇ…っ…っぅ…」 古川は必死に首を振ると、目元を拭った。 「今日っ…机の中に手紙が入ってて…」 「手紙?」 「はい。ひとりであの神社にこいって書かれてて…」 どうりで帰り掛けの古川の様子がおかしかったのか。 それを気付かない自分を情けなく思いながら古川の話を聞く。 「それでっ…絶対にひどい事をされるって思って…」 「録音していたのか」 「……はい…」 古川は真っすぐオレをみると頷いた。 「……古川…」 古川はやっぱり強い。 オレなんか到底適わない程強く逞しい。 弱々しい動作とはまったく異なる意志を持った瞳。 オレは何度も古川の頭を撫でる。 「すごいよ…本当に古川はすごいっ…!!」 これを録音するのにどれだけの勇気が必要だったのか。 考えるだけで目が潤む。 精一杯の反抗。 「このままじゃっ…いけないって…気付いたんです」 「うん…」 「いじめられっぱなしの自分も…久留米さんに助けられっぱなしの自分も…変えたくて…」 「だから……」 と、言ったきり黙り込んだ。 「…古川っ…!!」 オレは堪えることが出来なくて思いっきり抱き締める。 「…わぁっ…っ…!!」 すると抱きついてきたオレを押し返すように古川は突き放した。 「……え…?」 弾き飛ばされたオレは尻餅をつくと目が点になる。 同時に嫌がられてしまったことにひどくショックを覚えた。 「ぁ…っ…ご…ごめ…」 真面目な話をしていたのにいきなり抱きつかれれば嫌なのは当たり前だ。 オレは焦ってどうすればいいのかわからなくなる。 「………ごめん…」 言い訳も思いつかずフローリングに正座すると頭を下げた。 「…ちっ…違っ―…あっ…っ!!?」 慌ててオレのもとに駆け寄ろうとした古川は丈の長いオレのズボンに足を絡め、転んでしまう。 「…痛っ…ぅ……」 「だっ…大丈夫か…!?」 オレは痛がる古川に急いで傍に寄ると抱き上げた。 「……………え…?」 するとおかしな感触に思考が止まった。 オレの下半身に固い感触が走る。 これって………。 真顔で古川を伺えば古川は顔を背けて震えている。 「…ご…めんなさ……」 「…っ…」 紛れもなく、これは勃起した古川の性器だった。 「く…久留米さんのっ…下着…履いてると思ったらドキドキして…」 「…古…川っ…」 「はっ…はしたないって…分かってるのにっ…!…ふぇ…」
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