いらない

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「オーイ!遅いぞ~!紗弥歌!!」 「……なんでこんなに早く学校に行かなきゃなんないの?」 私は、一ヶ月前にこの旭川高校に入学してきた氷室 紗弥歌。皆青春の時期?何だって。私は、彼氏なんて…いらないんだ。 「なにいってんのよ~!人多すぎて顔見れるのもすごい事なのに!」 「だって見に行くだけでしょ?一回見ればいいじゃん…それに告って付き合う事になったとしても別れて終わりじゃん?」 「……またそんな事言って」 今話している私、紗弥歌の大親友の相川 リコ。 …紗弥歌って少しかわってるんだよね。 紗弥歌は男子に対してはさっき話していたように冷たくなる。それで、告られたらいつも言う言葉は「ごめんね。私彼氏なんていらないんだ」…これ。 で、去って行く。私は何回も木の影から現場を見ていた。そして、紗弥歌はその一言を言うときに悲しそうな顔をする。 ……でもね紗弥歌。あんたは今からステキな恋に出会うんだよ。 私…未来が見えるんだ。相手の表情を見ただけで。 だから、紗弥歌の今の性格は、いつか直ってしまうけど…大丈夫だよ。きっと……これが紗弥歌の話 「紗弥歌!」 「…え?」 きっと大丈夫だからね。心配しないでよ。 「……無理しなくていいよ!いつかは出来ると思うしね!」 「……」 紗弥歌はリコの一言に一瞬止まった。 「…うん、そうかもね。ありがとう」 そして、笑顔で答えた。 リコは…小さい頃からの大切な親友。なんでも、言い合えた人なんだ。 でも…リコは人気があるから私から離れて行くのが不安。 「……」 「!‥な、何?」 嫌な事考えてたら、リコが私の顔を見てた。 じー…… 「な、なんなのよ?」 「……紗弥歌」 「えっ!?な、何?」 くるっ… 「リ、リコ?」 リコは回転して私に背を向けた。 「あんたが人気になっても私は離れないからね!!紗弥歌も同じだよ?」 と、ニコッと笑顔でそう言った。 「!」 ビックリ!なんで私の考えわかったんだろ!? 「えっ!?どうしてわかったの?なんで!?」 「えー…なんかこんな事考えてるだろうな~って」 「うそ…」 「ホントだよ!あんた、すぐに顔に出てるし」 リコは苦笑いで言った。 「…もういい!めんどくさい!」 「…あ、そう。じゃあ学校行こうか…」 「うん」 リコは歩きながら、紗弥歌はやっぱり面倒な事はほうり出すんだなと思ったのでした。
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