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「はい」
「おお、サンキュー」
私は消毒をした傷口にバンソコを貼った。
「手際いいな、それに上手いし…。」
「そう?」
私は小さい頃、弱くていつもリコに守ってもらってたから、リコは沢山怪我を毎日のようにしていた。
その頃の私はリコを守れなかったけど、怪我の治療するようにしていた。
『ごめんリコ!ゔぅぅ…』
『いいよ!別にたいしたことないし!』
私は泣きながら手当てをしていた。少しでも、リコの役に立ちたくて…
「きだくーん!どこ-?」
「さっき、教室に忘れ物取りに行ったきりどこいったんだろ!」
………。
私は、黄田くんを細目でチラッと見た。
「!」
黄田くんは私と目が合うとふいっとそっぽを向いた。
「はは…」
私は苦笑いするしかなかった。
「よくモテますなぁ」
私が上から目線で言うと、黄田くんはハァ…とため息を一つついて顔を上げた。
「よく言うね。学校一の天才美少女のくせに」
「?…なんのこと?」
私は、黄田くんが言っていることの意味がわからなかった。
何それ…初めて言われたんだけど…。
「えっ?知らないの?成績優秀。スポーツ万能。おまけに超美少女の一年 氷室 紗弥歌!」
「………?」
「……マジで知らなかったのか?」
「うん」
真面目に初耳だ。ていうか、誰が言い出したんだよ…。
「…でもまぁ、誰が言ったか知らないけど………いや…待てよ。
異様な男子から私への告白は?何?」
「だから!ソレだよソレ!」
「はぁ?」
「……ったく…まぁ、俺も女の子にモテるのは嬉しいけど、自分から告れるような子を見つけたい…」
黄田くんって…こんな人なんだ。外見からすれば髪は金で、チャラチャラしてるのかと思えば、意外に一筋っぽい……。
「いい目標だね……でも私は…」
「…?」
……なんかいつもより言いにくい…いつも、リコに言ってるのに…どうして?
「……恋愛なんて…しないから。」
「……え?」
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