変な気持ち

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私はキッパリ言った。 「ま、マジで?」 「うん、彼氏なんかいてメリットなんかあるのかわかんないし…」 ホント。彼氏なんかいたってメリットなんかない。 「でも、いつまでもこのままだと皆に冷たい目で見られるんだろうな…とは思う」 …やっぱり彼氏、つくったほうがいいのかな?わかんないや… ドサ… 「ねぇ、黄田くんはどう思………う、うわぁ!?」 座った音がしたかと思うと、急に腕を引っ張られた。 「…え?」 ストンと私が座ったかと思うと、不意打ちのように黄田くんが、抱きしめて…抱きしめてきた!? 「ちょ…なにす…るのよ!」 …ドキン っ!?…なにこれ…黄田くんに抱きしめられてるだけなのに、鼓動が…速くなってる!? 「…え?」 一旦冷静になり、黄田くんの顔を見あげると満面の笑みで私の頭を撫でながら微笑んでいた。 「よしよし…大丈夫。今は出来なくても、いつかは運命の人と出会うよ」 …ドキン! …な、なんでよ。どうして!どうして、こんな人に私はドキドキするのよ!? 「…運命の人とか…意味わかんない」 「えっ?」 ガバッ… 私は、抱きしめられていた腕を振りほどき立ち上がった。 「帰る!」 「え…ま、待ってよ!紗弥歌ちゃん!」 私はいつもより大きい声で言った…でも、黄田くんは私の腕をまた掴んだ。 「俺、なにかしたか!?」 黄田くんは私の腕を掴んだまま私を自分の方に向けさした。 「…えっ」 「あっ…」 ダメ…私、今絶対に… 「なにもないよ…!」 顔真っ赤だからっ! 「……」 黄田くんは固定したまま。 「っ!…か、帰るっ!」 私は、反対の手で捕まれている腕を振りほどいた。 いつもなら、片手で振りほどいていたのに…黄田くんにはそれが出来なかった…全く力も入ってないように掴まれていたのに。 私は、黄田くんに背を向け、家に着くまで走り続けていた。
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