2・孤城炎上

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ネヴァル様の部屋にはまだ遠い しかし、先ほどから戦闘の音が… (まさかネヴァル様に、気付かれたか!?) いつ蛮族と衝突の恐れのある我が領内の立地上 強く無くては後継者として認められない… あの方は、あの優し気な美しい容貌と異なりかなりの腕前だ、あの方は強い… だからこそ…今回の奇襲という形をとったというに…… 急がねばっ… (何者?) 先に向かった者達と一人の男が戦闘に入っている… アンナ以外の部下達はすでに倒された後の様子で、アンナもかなりの苦戦を強いられている ゲルバルトが咄嗟に戦闘に割って入ろうとしたその時、アンナの体を一筋の光が鞘走る 彼女は高を画く様にゲルバルトの元へと倒れこむ。 彼女の体を慌て支えたゲルバルトの喉元に男の剣先が突き付けられた。 城を焼く炎の中、赤く光る瞳をした男はゲルバルトに 「イオンは何処にいる?」 剣を突きつけ来る男のその姿は…「ま…まさか…ネヴァル…様?」 …違う!!くすんだ白髪の赤い瞳…ネヴァル様は金糸の髪にアイスブルーの瞳だ…しかし確かに…似ている… だが…あの方は…もっと… 哀しげだが穏やかな瞳だ…… この男の瞳は燃え盛る炎を映してさえ冷たく凍う まるでこの世の全ての絶望を映しているような瞳をしている…b4fb4c18-45a6-463c-a150-da3c57926773
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