2・孤城炎上

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「ずいぶん優しい真似をするじゃあねぇか…」 屋敷から出るとそう声をかけられた 「お前はゲルバルト達を殺らなくて良いのか?」 「そんな事は連中に任せりゃ良い… イオンが居なきゃ意味も無いしな… それにしても、お前の方がおかしいだろう… 何故ヤツらに止めを刺さなかった?」 ニヤケた顔だが…瞳は笑っていない… 確かに今日はどうかしている… 何故かと聞かれも 正直俺にもわからない… 「さぁ…な…」 そうとしか答えられなかった 「まあ…良い… 裏切るなよ… お前が裏切る時は…… 大事なお兄様の命も無いぞ…ククク…」 裏切る…? 一体何を…裏切るんだか… もう何一つ裏切る者など無いというに… もう鎮火をはじめ宵闇の中に溶け込みそうな屋敷を背にその姿も闇へと溶けていく…
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