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ゼッケル公爵家の城下に広がる街、ザイル。
近くに有る遺跡と同じ名を持つこの街の冒険者の宿゙双の炎亭゙。
そこに、この街と宿にはどうにも似つかわしく無い、愛らしい姿をした二人の冒険者がいた。
フワリとした桜色の髪を二つに束ね、澄んだ青空の様な瞳に愛らしい少女の様な外見の、ドワーフと人間のハーフであるアルマ・クライムと、見る角度により虹彩を微妙に変える孔雀色の癖のある髪を短く切り、赤い夕焼けの様な大きな瞳にあどけない少年の姿を持つグラスランナーのニィ・チャンである。
二人は宿に併設する酒場で、平らげて空になった食器を楽器にリズムをとりながら「親父、仕事🎵仕事🎵なんでも良いから仕事🎵🎵」と催促をはじめる。
現役時代はそれなりに名のある冒険者だった強面の宿の主人は、彼らのそんな様子に半ば呆れ顔をし深い溜め息を漏らしながら…。
「本来ならお前達みたいなヒヨッコに仕事なんか無いんだが…
だが、先日一件お誂え向きの仕事が…」主人が話を言い終える前に二人は。
「やる~‼‼仕事何でもやる~‼‼」
二人の思慮の無い発言に主人は。「人の話は最後迄聞け~‼‼依頼内容も聞かずに受けるなぁ~💢💢」と説教を受けることに。
「お前等みたいなヒヨッコが、良くこの地まで無事に来れたもんだ…」
散々説教された後に、冒険者として無事仕事を斡旋してもらった二人だが…
その依頼がやがて…世界を揺るがす上に、彼らとっても長く苦しい物語の幕開けになるとは夢にも思わなかった…。
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