3.偽雷光

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手配書の発行元である街の守備隊事務所に レオナードの手配理由は 『パーミリオ侯爵家の子息セシリアンを身代金目的で誘拐』 それに幾つかの豪商や貴族から盗難の被害等も出ているらしい… 守備隊の見るからに悪意ある言動にムカついた こちらの言など一つも聞く気はないらしい このリーゼン地方のセフィリア神聖王国はライフォスの教えの元に、厳格な土地柄で冒険者にも厳しい… 守備隊の威信に掛けてもレオナードを捕らえると息巻いている 「ほら、やっぱり悪党じゃん」 「だからまだ決まった訳じゃ無いじゃないか」 そんな事を話ながら建物を出ようと出口に向かう 出口で兵の1人と男の子がもめている 「だから、レオナード様がこんな事する訳ないじゃないか ちゃんと調べてよ‼」 「うるさい ここは子供が来る所じゃ無い とっとと帰れ‼‼」 と男の子を突飛ばす アルマちゃんが慌て男の子に駆け寄り 「大丈夫?」と男の子を支える 2人も 「子供相手になんて事を」 「酷いよ、最低」 息ぴったりでまくし立てる 「冒険者風情が」 そう言い捨てると守備隊所の戸が乱暴に閉められた 「君大丈夫だった?」 「そうだよ、怪我は無い?」 「ありがとう……お兄さん達、もしかして、冒険者なの?」 「オイラとアルマちゃんは冒険者だよ」 「ならお願いがあるんだ‼ お金は… 今はこれだけだけど…」 と古いぼろぼろの貯金箱を差し出す 「足りない分は働いて絶対払うから」 少年は必死で訴える  
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