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「良く来て下さった
このような場所から失礼を許して頂きたい…」
薄汚れてボロを纏っているのに、老人はこんな場所には似合わない品格があった…
「ジジ様!!
この人達ならきっと、レオナード様の事頼んでも大丈夫だよ」と少年は寝具の上の老人へと駆け寄る
「これ、関係の無い冒険者の皆様を巻き込むとは…」老人は少し困った顔で少年を諭す
「でもこのままじゃレオナード様が!」
「レオナ様の事は我等とてどうしようもならぬ…」
「でもでも…」
二人の会話に
「ねえレオナードって…まさか…母さんの事?」
そう言ったイオンの言葉に老人は
「母さん?とは…レオナード様の事ですかな?
その瞳は、まさか…イオン様では?」老人はイオンの顔をマジマジと見詰めながら問うて来た
「お兄ちゃんが、レオナード様の言ってたイオンなの?」少年もイオンに声をかける
「母の事ご存知なのですか?
あの手配書は?いったいなにがあったのですか?なぜあんな事に⁉」と老人にイオンか問い詰める
「落ち着きなさい…」とイオンをたしなめ
「貴方があの方が育てたイオン様と言うなら、これもきっと神の導きでしょう
先ずは落ち着いて我等の話を聞いて頂きたい…
その上で我等に協力頂けるかどうか判断頂きたいのだが…」
老人は穏やかに諭す様に語り出した
穏やかな老人の瞳に金の光彩が混じる…
『この人、蘇生者だわ…』蘇生された人には小さな角、穢れの痣、瞳の金輪等が現れる
禁止されているわけではないが蘇生は自然の摂理に反するものであり、その身に穢れを宿す
ナイトメア同様にこの国では迫害される傾向にあるのだ
『こんな高貴な人がなんでと思ったけど…蘇生じゃだったのね…』
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