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彼女の言葉に微笑む吉高の顔に
満面の笑みが浮かび上がった。
薄気味悪い表情に戦気を失った
彼女は渋々戦闘態勢を解いて。
腰に手を当てながら彼の質問に
返す言葉を選んで話し始めた。
「何故、私の名前を知りたいの」
鼻につく煙草の煙に顔を顰めて
彼女は彼に皮肉の言葉を言う。
すると、その言葉を聞いた瞬間
彼は腹を抱えて爆笑し始める。
何が可笑しいのか訳分からない
彼女は馬鹿にされたと憤って。
「何か可笑しい事でも、」
彼女が食い付くように彼にそう
話し始めた瞬間に笑いは止み。
ただ沈黙し彼女の眼を凝視して
やがて淡々と理由を切り出す。
「君は忌み姫を知ってるかい?」
その言葉を聞いた事ない彼女は
首を左右にふるふると振って。
彼はその様子を見て笑いながら
先へ話を進める為に口を開く。
「忌み姫とは千年に一度生まれる世界の不幸を背負う一人の人間。そして千年の時を越えてようやく生まれた姫君―…それが君だよ。弥神楽 凪夜(ミカグラ カグヤ)さん」
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