空想の友達

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父は何度も、 「可哀想なことをするな」 と言いました。 私が冷酷で残忍な子供でないことも、 合わせて確認したに違いありません。 いくつか口にした言い訳の全てを、これを書く今は覚えていませんが、 その場が凌げたのは確かだったはずです。 後からさえこは私に こう話しました。 「お父さんはあなたに答を教えてる。可哀想なことだから、してはいけないんだってね。」 だけど、とさえこは 声を強めてから 「あなたがしてるのは、なんでこれが可哀想なのかを体験することなのよ。ミミをバラバラにした時、あなたが感じたことが、可哀想ってことよ。出来ればしたくないようなことだから、するべきじゃない。お父さんは答だけを言っただけ」 気にしなくていいと さえこは気にも留めない様子でした。 あなたが狂ってないことは、 親子でいれば わかることだもの。 と。
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