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昼休みになり裕太はやはり由香里が気になり保健室へと足を運んでいた。
しかし、その背中をポンポンと叩く人が…
裕太君、さっきはありがとう。助かりました。
その視線の先には由香里が居た。
お前、もうそんなに元気になったのかよ。もう平気か?
うん、平気。多分…
なんだよ、その多分は…
もう命が無いの。なんちゃって。
はっ?命がない?お前何言ってるの?
うん。病気やから私。まっ、普通の体やないからね。
見た目お前普通やん。何言ってる?
うん。知ってる?心臓病。この歳で笑えるくない?
全然…笑えない。
そう、なんかヤバイっち言われながら今日まで生きちゃいましたって感じ…
裕太は言葉を失った。
だから、もう忘れた方が良いよ。私の存在。
存在?なんだよそれ。
だから存在忘れてよ。私の事…
そんな時裕太は何故か思いっきり由香里を抱きしめていた。
ただどうしてこういう行動になったのか、裕太には全くわからない。
そんな意味があったのかもしれない。
しかし、今の裕太には何か目の前で崩れて行く物を
必死で止めようとするような感じであった。
しかし、これから始まる事の一小節でしかないことはその時知るよしもなかった。
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