Act:Ⅱ 日常Ⅱ

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~視点なし~ ノワール達がそんな事をしている一方、秣羽菊家の正門では今正に要人の見送りを終えた青年が立っている。 今頃、屋敷内は賑わっているだろう・・・。と思いつつ小さな溜息を漏らすこの青年こそノワールが友人と呼んでいる慰夢火 砕騎その人である。 砕騎は腰辺りから大きい鋏を取り出す。 彼の手にしている鋏は、鋏といっても、普通の鋏とは違い持主である砕騎の腕の長さは軽く超えていた。 その鋏を巧みに操り高い所の枝や葉を次々と落としていく。 彼は基本寡黙であるが信頼が熱く人望もあるタイプで、秣羽菊家の重要な要人警護の際には必ず彼がつけられる。 だが、そのせいもあってか砕騎には自由な時間がほとんどなく、精々あるとすれば、睡眠時間や食事の時間だけである。 砕騎自身その生活に慣れつつはあるが内心かなりストレスや疲労が溜まっており、あの主人至上主義者のノワールでさえも必要以上に気にかけるほどだった。 そして昼ごろになり秣羽菊家の広大な庭の3分の1程度を整えるとその場で食事をする事にした。 今日の彼の食事は白いパンにレタスやチーズ、ハムなどがサンドされた普通のサンドイッチである。 これは朝、彼が庭の手入れをしている最中にノワールから渡されたもので、彼の好みに合わせたのか味の違うサンドイッチが4つほど入っていた。 砕騎は近くにあった石の椅子に座り、手を合わせ 「いただきます」 と返事が返る事の無い言葉を小さく呟く。
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