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深い暗闇で自分が目を開けているのか、閉じているのか。閉じていたってかわらないだろうこんな暗闇が。声は外で話すように拡散して、ただ広い場所なのだと気づく。 「さぁ、何でだろ」 暗闇に浮かぶ顔。白い世界であったあいつが、フードからのぞく口元だけ、肌色が見えた。 「!!!」 ひゅっと息をのんだ。こいつがやっていることなのか。浮かぶ顔、話す雰囲気、それはなんてことない。普通だ。でもここは普通じゃない。 こんな場所でそんな普通なのは「異常」だ。
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