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仕事場までは車で40分ほどかかる。毎日の道のりで危機感は無いし、温度が一定に保たれた心地よい車の中で、連日の睡眠不足から眠気がさしてしまった。 目を閉じる、と 白い世界の中にいる。上も下も分からない、ただ白い世界。少し歩いてみても、変わらない。自分以外誰もいない世界――― 「なぁ何でこんなことになっているのかわかるか?」 後ろを振り向くとさっきまでいなかった人がいた。それは黒い、死神を連想させるような服装をしていた。顔の半分が隠れるフードに、全身に纏う黒のコート。 「なぁ聞いてる?」 にやにやしながら俺に問いかけてくるそれは、変声期前の男の子の声にも幼い女の子の声にも考えられた。 「ここは・・・、なんなんだ?」
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