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「~っ!」
クロは、激しい頭痛で目を覚ました。
「クロさん! だ、大丈夫ですか?」
頭痛に顔を歪めながらゆっくりと立ち上がると、窓口から少女が心配そうにクロを見つめていた。
「アタシ…」
「クロさん、もしかして貧血ですか? 私が食事をしていたら、いきなり倒れるので驚きました」
クロが何かを言う前に、少女は状況を説明する。だがクロは、何かに"違和感"を感じた。でもその"違和感"について考えれば考えるほど、頭痛が増す。
「心配かけて悪い…。とりあえず戻るわ」
少女の心配をよそに、少女が食べ終わった食器を持ち、ふらつきながら上への階段を上る。途中、屋敷の廊下で出会った別の使用人に食器を任せてある人物のところへ向かう。
「…大旦那様、クロでございます」
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