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「ああ、そういえばもうすぐクリスマスだったな」
クロは携帯を閉じると、静かに食事をしている少女を見つめる。
「お嬢ちゃんの誕生日…確かイブだったよな? 何か欲しいものあれば、大旦那様に内緒で持ってきてやるよ」
クロのその言葉に、ピタッと食事の手を止めて少女は静かに顔をあげる。
「…なんでもいいのですか?」
「ああ、なんでもいいよ。アタシも出来るかぎり力を尽くそう」
少女はクロの言葉に少し考え込むと、微笑みを浮かべながらこう言った。
「…"月"というものを見てみたいです。」
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