白い化け物

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少女の言葉に、一瞬呆気にとられる。 「…それは、外に出たいということか?」 「はい。私は外の世界を見たことがないのです。」 にこにこと無邪気に微笑む少女に、クロは少し動揺しながらも答える。 「お嬢ちゃんを外に連れ出すことは、アタシには無理なんだ。アタシには、食事を出すための窓口の鍵しか渡されていない…この地下牢の鍵は、大旦那様しかお持ちでない」 クロは申し訳なさでいっぱいだった。自分は、こんな幼い少女の少しの願いでさえ叶えることが出来ないかと。そんなクロの"心"を見透かしたうえで黙って聞いていた少女は、追い打ちをかけるようにこう言った。 「クロさんの、う そ つ き」
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