プロローグ

2/3
73人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
世界を敵に回したとしても君を守る!なんてヒーローのようなかっこいいことを言うやつが僕は嫌いだ。 そんな事できるわけがないじゃないか。 人は一人では生きていけない。 非常に不本意ながらこの世の中を生きていくには誰かの助けが必要だ。 ご飯を食べ、学校で学び、友達と遊び、家で寝る。 一体一日を何不自由なく生活しようとしたとき人間はどれだけ沢山の人の助けを必要としているのか。 人は皆自らが豊かであろうとし、その道程で生み出されるものによって他の人々にもその分け前分の幸せを与えているのだ。 つまり、世の中のすべての人々は互いが互いに恩恵を与え合い初めて生きていけるのだ。 その繋がりがなければ、人は生きていけない。 ……とは、言い切れないかもしれない。 ふと思ったが例えば、だ。 山の中で自分で木を使い家を作り葉っぱなどから簡単な服を作り、川から魚を採取、山に生えているキノコなどを使えばとりあえず食べる、寝る、ということはできるんじゃないか? 冬の寒さの問題も落ち葉を集め、石を使ってとか木を使って等して摩擦を利用すれば火を起こして暖を取ることもできる。 なんだ!こうして考えてみると一人でも生きていける気がしてきたぞ。 だがそもそも生きるとは何なのか? ただ呼吸をして心臓が動いていればそれで生きていると言えるのだろうか? 生物の生きる目的とは子孫を残すことだと考えられていると聞いたことがある。 そして僕は人間に至ってはそれだけじゃなく、己の夢を叶えるために生きているのだと思っている。 ……一人、山の中で生活していては当然子供など作れないし、とてもじゃないが夢をかなえられるとは思えない。 まぁ、山の中で生きる!!というのが夢なら別だが。 結論を言うと、「人は一人では生きていけない」というのは僕の中では「正論」だということだ。 ところで、僕は最初、「世界を敵に回しても君を守ると言うやつが嫌いだ」と言っていたが、その考え方もありかも知れないと思ってしまっている自分がいる。 自分のやりたいことをやってるんだからそれはそれでありじゃん? うん!ヒーローかっこいい!!
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!