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私の頭は真っ白だった。
講習で習った事は全て思い出せないほど緊張していた。
…が、店側も心得たもので、
初物に仕事を仕込むのが好きなお客さんに声かけしてくれていたわけだ。
そんな事は知る由も無い私は、正直にお客さんに言った。
ごめんなさい。さっき講習受けたことが緊張で吹き飛んでしまって…私、何をしたらよいのか…と
お客さんは笑いながら、
とりあえず、お風呂溜めようか~と笑顔で促す。
その笑顔に救われた思いがした。
お客さんの促すままにぎこちないサービスをし、とりあえず時間内に事を終えることができた。
その時、この世界に身を落としたというような悲しさは無かった。
私にもできた。良かった。
安堵の気持ち。
これで子供と生きていける…
それだけだった。
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