はじまるよ!

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 私はたまに当たり前の行動や、当たり前の現象に疑問を持つことがある。  それは睡眠であったり、呼吸であったり、時間が帰ってこないことであったりする。  他にも宇宙や、この世界に人間がいるということが、理屈抜きでただ純粋な謎として私の前に立ちふさがることがあるのである。  勘違いしないで欲しいのは、人間が害悪だと言う人間がよくいる、だから存在が謎なのだと言う。  でも私のそれは、これとは全く別物であるということ。  純粋に『なんで私はここにいるのだろうか』ということ。 『何故この場に宇宙があり、星があり、地球があり、私があるということ』に酷く違和感を感じるのだ。  踏みしめている土、雑草、酸素、住んでる家、学校、携帯電話、アニメ、本、スカイツリー、言語……etc.  全てが無くなっても、困る人は誰もいなくて、あっても得する人がどこにもいないのだから、無くてもいいのに私はここにいて、息をしてる。  空には馬鹿みたいに広い宇宙がある。  人間がたくさん生きて、コミュニティーを形成してる。  私はここにいて。  靴を履いていて。  その下に土がある。  変なの。  人間がいてもいなくても。  動物がいてもいなくても。  植物がいてもいなくても。  虫がいてもいなくても。  生物がいてもいなくても。  宇宙があってもなくても。  空間に何もないことが、自然じゃないのかと。  ふと考えてしまうのだ。
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