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黎音:
……いやしかし疲れるもんだな。
真由美:
否定は出来ないわね。あの手の演技は自分のタイミングだけじゃ出来ないから。
黎音:
発想は面白いとは思うんだが、いかんせん表現も巧いとは言えないジョシュだからな。
真由美:
ジョシュって柳川の事よね? まあ、アマチュアなんだし少しくらいは仕方ないんじゃない?
黎音:
動く俺としては少し癪だ。まったく、困ったもんさ……
真由美:
(合わせるのは、むしろ私の方なんだけど……)
黎音:
それにしても、あいつはTSF好きだな。
真由美:
TSF?
黎音:
Trans-Sex Fantasy、要するに性転換ものだ。俺達がやっているような奴さ。
真由美:
ああ、なるほどね。確かにそれは思うわね。柳川って、よく「能力が貰えるなら性転換が出来るようになりたい」なんて言ってるし。でも、そんなに女っていい訳?
黎音:
さあな。俺も現実では、生まれてこの方男としてしか存在していないからな。寧ろ分からないからなりたいんじゃないか?
真由美:
怖いもの見たさ、って奴?
黎音:
怖いかは知らないが。
真由美:
まあ、私はわざわざ男になりたいなんて思わないけど。生まれたままで充分。
黎音:
賛成。俺も小説だけに留めておきたいもんだ。
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