来訪

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俺の名前は中崎 順(なかざき じゅん)、26歳。 自分の人生憐れなものにしちまったゴミみたいな人間だ。 最初に間違った道を歩いたのは中2のある日。俺は闇からの誘惑に負けてヤクを使ったんだ。 周りがよく言う快楽なんてたった2秒すらも持たない。後は頭がおかしくなるだけで、近くにあるものみんながウザくなって、気がつきゃ俺の周りには誰もいなかった。 友達にも、両親にも、恩師にも見捨てられ、孤独になったのさ。 この世の誰もが俺を指差して、何かをささやきあっていた。これは俺の妄想ではなく、本当にしているに違いなかった。 その後、俺は10年かけて、すべてを洗い流し、屑から脱出したつもりだった。 だが、俺にはまだ錆びきった屑の血が残っていたみたいだ。 突然衝動に駆られたんだ。人を殺したいってな。 誰かに恨みがある訳でも、憎しみがある訳でもないが、誰でもいいから人の身体を刃物で切り裂き、血しぶきをこの目で見たくなったんだ。 俺はあの時から、正しい人の道から、どんな矯正をしても効かないくらいに外れちまったんだ。何人か人を殺した後に俺はサツにあっけなく捕まり、裁判の結果は死刑宣告。 俺のゴミ人生は、処刑台で終わるのさ。
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