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私が読んだ本は乙一の「しあわせは猫のかたち」だ。
主人公は人見知りが激しく何をするにも不器用で、この世で光輝くものを自分の所から遠ざけて生きてきた。
大学に入るため、一人暮らしをするのに借りたある家は前に誰かが住んでいて、ひょんなことに殺されてしまったらしい。そのせいで、家具はそのまま残っていた。
そして、その家で暮らしていると不自然なことが沢山起きる。
消したはずのテレビがついたり、朝起きたら朝食が出来ていたり・・・。
でもそれは紛れもなく前の住人の仕業であった。見えない前の住人について回る子猫。最初は信じていなかったが、次第に見えない前の住人に心を開き、自分の今まで辛かったことを赤裸々に語った。そして、主人公が人としての明るさを得ていく。
この世の素晴らしさと、生きていく希望を与える短編小説。
100ページにもいたらないが、とても奥深く、人に涙をそそるような感動をもたらす優れた作品であった。
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