3215人が本棚に入れています
本棚に追加
そんなある日の週末。
俺達は、矢野家からバーベキューに招かれた。
「 よぉ、雅人 」
庭で火を起こしていた陸に声を掛けられ、俺も小さく手を上げて応える。
誌乃は、早速おばさんに呼ばれてキッチンへと向かい、俺と陸はふたりして、自然とそれを目で追っていた。
「……まだまだ、親が恋しい歳だろうにな 」
ボソッとそう呟いた陸に、俺の表情も複雑になる。
「 感謝してるよ。お前にも、おばさん達にも 」
陸は、いいんだよ、と笑った。
「 誌乃は、俺にとっても妹みたいなもんだし。
親父達だって、養女にしたいなんて言ってるくらいだからな 」
俺は、え?と陸を見た。
最初のコメントを投稿しよう!