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「 雅人、これ、来てたわよ?」
妻である舞に差し出されたのは、結婚式の招待状。
差出人の名前を見た俺は一瞬、表情を歪めた。
田島誌乃。
血の繋がらない、…妹。
昨年の春、入籍したと報告を受けてから、誌乃とは殆ど連絡すら取っていなかった。
この1年、誌乃の身に何が起こったとしても、その事に対して誌乃の夫である田島慎一に、文句を言う立場などない。
何故なら、今の俺は田島慎一に仕事を世話してもらっているから。
散々誌乃を傷付け、犠牲にして、自らの家庭を守っている俺は…、
兄でいる資格もない。
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