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「 あの子を施設に戻したら?
元々 本当の兄妹じゃないんだし、あんたにはあの子の面倒は無理だよ 」
オバサンの言葉に、俺は無性に腹が立った。
誌乃を施設にだと!?
誌乃は何も知らないのに…!
「 冗談言わないで下さい!
誌乃は俺の、たったひとりの妹です。
これからは、ふたりで生きて行きます 」
誰が何と言おうとも。
俺と誌乃は、永遠に兄妹だ。
俺の決意は固かった。
誌乃には、絶対に本当の事を明かさないつもりだった。
でもまさかこの会話を、誌乃の本当の祖父と、誌乃本人が聞いていたなんて…、
この時の俺は、気付きもしなかったんだ。
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