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なぜか、ママに肘でわき腹をグリグリされて、思わずその場にへたり込んだ。
「ママ、意味が判らないんだけど……」
「なにが?」
「その、私と翔さんが、その……」
「なあに、翔くんたら、肝心のあんたにその話してないの?」
逆にママが目を見開いた。
ママはそのまましばらく私を見つめると、フッと寂しそうに笑う。
「……ノリくんが、逮捕されたでしょう?」
「う、うん」
「あんたがショックで寝てた時だったかな。翔くんがもう一度来てくれたのよ。その時、あんたのことそういうつもりだから、って話を聞いたの」
「……なんで言ってくれなかったの?」
「だってそれはほら、翔くんと私の話だもの。あんたはいらないじゃない?」
「私のことなのに」
「まあ、女の子の親とカレシっていうのは、あんたが考えてる以上に色々あるものなの。あんた、感謝しなさい。翔くんが賢い子でよかった、って」
「それは……」
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